南海電鉄16駅の改札機で「Visaのタッチ決済」「デジタルチケットによるQRコード入出場」の実証実験が始まります。
南海電気鉄道が三井住友カード、QUADRAC、ビザ・ワールドワイド・ジャパンの各社と共同で行う実証実験で、実施期間は2021年4月3日(土)〜12月12日(日)です(終了時期は変更の場合あり)。16駅に専用改札機が設置され、「Visaのタッチ決済」およびQRコードを利用した「南海デジタルチケット」による改札の入出場ができるようになります。
駅の改札でVisaのタッチ決済による利用区間の運賃支払いは、国内初導入となります。また、QRコードを利用した改札の入出場は南海電鉄としては初めての取り組みとなります。
実施駅は南海電鉄16駅(難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅・堺駅・泉大津駅・和歌山市駅・りんくうタウン駅・関西空港駅・堺東駅・三国ケ丘駅・金剛駅・河内長野駅・橋本駅・九度山駅・高野下駅・高野山駅)です。計32の改札に「Visaのタッチ決済」等が利用可能な専用改札機が設置されます(路線図は下図を参照)。
「Visaのタッチ決済」は、普段利用しているVisaカードで乗車区間の運賃をその都度決済するサービスです。アフターコロナを見据えインバウンド受け入れ基盤の強化策として、海外からの訪日客をはじめ、世界的に普及率の高いVisaカードで鉄道が利用できる環境が整えられます。
Visaのタッチ決済機能のあるカード(クレジット、デビット、プリペイド)やスマートフォン、ウェアラブル端末を入場時と出場時に専用改札機にタッチすることにより、改札通過と運賃精算ができます。なお、収受される運賃は大人運賃のみで、子どもが利用しても大人運賃による収受となります。Visaのタッチ決済の利用履歴は、QUADRAC社のサイト「Q-MOVE」でマイページの会員登録をすると確認することができます。
実証実験では、事前購入したデジタルチケットを用い、QRコードを入出場時に専用改札機の読み取りリーダーにかざすことにより改札通過できるサービスも実施されます。スマートフォン「南海アプリ」上で期間中に複数種類の「南海デジタルチケット」が試行され、MaaS(Mobility as a Serviceの略)事業への展開の可能性などが検証されます。
「南海デジタルチケット」第1弾となる「時差通勤応援きっぷ(5⽉有効乗⾞券/6⽉有効乗⾞券/7⽉有効乗⾞券)」は、乗車駅を9時以降に入場することを条件に、通常運賃の最大3割引で利用できるおトクなきっぷです(出場時間の制限はありません)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により時差出勤が推進されている中、ラッシュ時間帯の混雑緩和や、非接触決済の活用による新しい生活様式への対応を目指して発売されるものです。
片道「6回券」「10回券」「18回券」の3種類が発売されます。発売期間は利用したい月の前月末日24時までです。前月19日までに購入すると割引率は約3割引となり、20日〜末日までの購入の場合は約2割引となります(詳細は下図を参照)。購入後、同月内の再購入(追加購入)はできません。
有効区間は難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅のいずれかの駅と、実証実験の実施駅(難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅を除く)間の相互間です。難波駅・新今宮駅・天下茶屋駅を片方に含まない区間には設定されません(路線図は下図を参照)。座席指定車を利用する場合は、別途特急券等が必要です。
なお、「時差通勤応援きっぷ」は南海アプリ上の特設ページからのみの購入となり、駅窓口では購入できません。また、決済ブランドはVisaに限定されます。
南海電鉄では、コロナ禍で人々のライフスタイルや価値観が大きく変化する中、2種類のサービスにより今後の新たな交通利用の可能性を探り、アフターコロナに向けた環境を整備していくとしています。